最近よく「闇バイト」という単語を聞くようになった。ご存じの通り、れっきとした犯罪であり、一生を棒に振る事態が待っている。
そんな中、東京都が作成した「特殊詐欺加害防止特設サイト」というものを見つけた。そこには、2つのバイトの募集要項を見比べて、どちらが闇バイトかを当てるクイズが3問掲載されている。これが、どう考えても間違えようがない問題になっている。ところが、解説には「このクイズに解答した高校生250人のうち3問とも正しく答えられた生徒は全体の23%にとどまりました。」と記載されていた。これには衝撃を受けた。無知の一言で済ませて良いのだろうか。
刑事裁判を担当しているとき、一線を越えてしまう人と越えない人は何が違うのだろうかと考えることがあった。大きく2つ、①守るべきものがあるか、②その行動により起きる被害・損害を具体的にイメージできるか、という違いがあるように感じた。②は教育により解決出来るかもしれない。しかし、①自分の人生を「守るべき価値のあるもの」と感じられないのであれば、それは政治の問題かもしれない。
弁護士として何か社会貢献できることがあれば良いのだが。
弁護士 日高洋一郎